特定技能1号とは?企業が知っておきたい制度と受入れの流れ
2026/08/13
特定技能1号とは?企業が知っておきたい制度と受入れの流れ
はじめに
人手不足への対応として、外国人材の採用を検討する企業が増えています。
その中でも「特定技能1号」は、一定の技能を持つ外国人を、人手不足が深刻な分野で受け入れるための在留資格です。
特に製造業、介護、建設、外食、農業などでは、外国人材を受け入れる企業も増えています。
しかし、
「特定技能1号とはどのような制度なのか?」
「外国人を採用するには何をすればいいのか?」
「技術・人文知識・国際業務とは何が違うのか?」
と疑問を持つ企業も多いのではないでしょうか。
この記事では、特定技能1号の基本的な仕組みから、外国人を採用して働いてもらうまでの流れを、行政書士の立場からわかりやすく解説します。
特定技能1号とは?
特定技能1号は、人手不足が深刻な特定産業分野において、一定の専門性・技能を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。
出入国在留管理庁は、特定技能1号について、特定産業分野に属する「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」を要する業務に従事する活動としています。
つまり、専門的な技術者を対象とする「技術・人文知識・国際業務」とは異なり、一定の技能を持った外国人が現場の仕事に従事することを想定した在留資格です。
特定技能には1号と2号がある
特定技能には「1号」と「2号」の2種類があります。
特定技能1号
特定技能1号は、一定の技能と日本語能力を持つ外国人を受け入れる制度です。
また、特定技能1号の外国人を受け入れる企業には、外国人が日本で安定して働き、生活できるようにするための支援が求められます。
特定技能2号
特定技能2号は、より熟練した技能を持つ外国人を対象とする在留資格です。
1号と2号では、在留期間や家族帯同などの制度上の取り扱いが異なります。
この記事では、企業が外国人を初めて受け入れるケースも多い特定技能1号を中心に解説します。
特定技能1号で働ける仕事
特定技能は、どのような仕事でも利用できるわけではありません。
対象となる分野が定められており、外国人はその分野で認められた業務に従事する必要があります。
例えば、製造業では「工業製品製造業分野」があります。
浜松市の企業の場合、
- 自動車関連
- 輸送用機械
- 工作機械
- 産業機械
- 電子・電気関連
など、製造業で外国人材を採用する場合には、その会社の事業と予定している業務が特定技能の対象となっているかを確認することが重要です。
なお、特定技能の対象分野や分野ごとの業務区分は改正されることがあります。2026年にも工業製品製造業を含む各分野の運用が更新されていますので、申請時には最新情報を確認する必要があります。
特定技能1号を取得するための主な条件
外国人が特定技能1号で働くためには、原則として、
- 技能試験
- 日本語能力試験
などの要件を満たす必要があります。
ただし、技能実習2号を良好に修了した外国人については、一定の場合に試験が免除されるなど、外国人のこれまでの在留資格や経歴によって取り扱いが異なります。
そのため、「試験に合格しているか」だけで判断するのではなく、外国人本人のこれまでの在留状況や技能実習歴なども確認することが重要です。
特定技能1号で外国人を雇用するまでの流れ
企業が特定技能1号の外国人を受け入れる場合、大まかには次のような流れになります。
STEP1 受入企業が特定技能の対象か確認する
まず、
「自社が特定技能外国人を受け入れられる企業なのか」
を確認します。
さらに、外国人に担当させる仕事内容が、特定技能の対象分野・業務に該当するかを確認します。
STEP2 外国人本人の要件を確認する
次に、採用予定の外国人について、
- 技能試験
- 日本語能力
- 技能実習の修了状況
- 健康状態
- 在留状況
などを確認します。
海外から採用する場合と、日本国内にいる外国人を採用する場合では、必要となる手続きが異なる場合があります。
STEP3 雇用契約を締結する
外国人本人と雇用契約を締結します。
ただし、通常の労働契約であればよいというわけではありません。
特定技能雇用契約については、労働関係法令を遵守することに加え、特定技能制度上の基準も満たす必要があります。
給与や労働時間などの労働条件についても、適切に設定する必要があります。
STEP4 支援計画を作成する
特定技能1号では、ここが重要なポイントです。
受入企業は、**「1号特定技能外国人支援計画」**を作成し、その計画に基づいて外国人を支援する必要があります。
支援には、
- 事前ガイダンス
- 住居確保の支援
- 生活に必要な契約の支援
- 日本での生活に関するオリエンテーション
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
などがあります。
STEP5 登録支援機関を利用するか検討する
特定技能1号の支援を企業だけで行うことが難しい場合には、登録支援機関に支援業務を委託することができます。
登録支援機関に支援計画の全部を委託することも可能です。
ただし、
「登録支援機関に委託すれば、企業は何もしなくてよい」
というわけではありません。
受入企業としての義務や、雇用管理、必要な届出などについては、企業側でも適切に対応する必要があります。
STEP6 出入国在留管理局へ申請する
必要な書類を準備し、在留資格に関する申請を行います。
海外から外国人を呼び寄せる場合と、日本国内にいる外国人が特定技能へ変更する場合では、申請手続きが異なります。
また、国籍によっては、その国で定められた手続きが必要になる場合があります。
STEP7 許可後、就労開始
在留資格に関する許可を受け、必要な手続きが完了したら、外国人は特定技能1号として就労を開始します。
ただし、ここで手続きがすべて終了するわけではありません。
採用後も企業にはさまざまな義務があります。
特定技能1号は「採用後」が重要
特定技能1号では、採用後も、
- 支援の実施
- 在留期間の管理
- 雇用契約に関する手続き
- 必要な届出
- 仕事内容の管理
などを適切に行う必要があります。
また、2026年4月1日から定期届出のルールが大きく変更されています。
現在は、特定技能外国人の受入れが1日でもあった年度について、原則として翌年度の4月1日から5月31日までの間に定期届出を行う仕組みになっています。
そのため、企業側でも「いつ、何を届け出るのか」を管理しておく必要があります。
技術・人文知識・国際業務との違い
特定技能1号と「技術・人文知識・国際業務」は、どちらも外国人が日本で働くための在留資格ですが、対象となる仕事が異なります。
例えば製造業の場合、
技術・人文知識・国際業務
- 機械設計
- CAD
- 生産技術
- 品質保証
- 品質管理
- システム開発
など、専門的な知識・技術を活用する仕事。
特定技能1号
特定技能の対象分野・業務区分に該当する、一定の技能を必要とする現場業務。
というように、実際に担当する仕事内容によって適切な在留資格を判断することが重要です。
特定技能1号の受入れで企業が注意したいこと
特定技能1号を受け入れる企業は、単に「外国人を採用する」という考え方ではなく、
「外国人が適切な在留資格で、安心して働き続けられる環境を整える」
という視点が重要です。
特に、
- 特定技能の対象分野か
- 実際の仕事内容が対象業務か
- 外国人本人が必要な要件を満たしているか
- 雇用契約が適切か
- 支援体制を整えているか
- 必要な届出を把握しているか
- 在留期間を管理しているか
を採用前に確認しましょう。
まとめ
特定技能1号は、人手不足が深刻な分野で一定の技能を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。
しかし、特定技能1号は、単純に外国人を採用して働いてもらう制度ではありません。
「対象分野の確認 → 外国人本人の要件確認 → 雇用契約 → 支援計画 → 在留資格申請 → 就労開始 → 採用後の支援・届出」
という流れで、企業側にもさまざまな対応が求められます。
特に初めて特定技能外国人を受け入れる企業は、採用を決める前に制度を確認しておくことをおすすめします。
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波乗り行政書士事務所では、浜松市を中心に、外国人の在留資格に関するご相談を承っております。
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